今回は、大学院博士1年として生物学に取り組む新中さんに自己紹介をしてもらいました!どんな些細なことでも真摯に取り組む新中さんですが、一体何が新中さんの生物に対する探究心を駆り立てるのか…!ご覧ください。
プロフィール

・新中 祥太郎 (しんちゅう しょうたろう)
・2001年2月9日 生まれ
・埼玉県 出身
・千葉大学大学院生物学コース 所属
ひとこと
初めまして!今年から千葉大NESOスタッフに加わった新中祥太郎と申します。子どものときから生きもの、特に魚やカメが大好きで、飼育したり水族館に行ったりとたくさんの生きものに囲まれて育ちました。本活動でも生きものが好きな子どもたちとたくさん語り合いたいです!
生い立ち
生きものとの出会い
ぼくにとって。生きものを好きになる最初の“原体験”は、物心ついて間もない頃に東京の水族館に連れて行ってもらったことだったと思います。大きな水槽の中で泳いでいる魚たち、特にナポレオンフィッシュに目が釘付けになり、ナポレオンフィッシュの水槽の前で数時間張り付いていたそうです。それからは毎週のように水族館に連れて行ってもらい、家では水族館で買ってもらったぬいぐるみと友達のように遊んでいました。中でもカメのぬいぐるみがお気に入りで、家の中ではもちろん外に出かけるときにも持ち歩いていました。
幼稚園時代に金魚すくいで金魚をもらってから、家でも魚を飼うようになりました。小学生になってからは近所の沼に魚を採りに行き、ハゼ、クチボソ、エビなど色々な生きものを飼育しました。カメのぬいぐるみがお気に入りだったので、「生きたカメを飼いたい!」と口癖のように言っていましたが、生きたカメだけはなかなか買ってもらえませんでした。その代わりにどこかに出かけると必ずカメのグッズを買ってもらったので、家の中は魚の水槽とカメのグッズであふれていました。
生物学への扉
生きものへの興味と学問としての“生物学”には境界線がなかったように思います。文字を覚える前から図鑑に載っている魚の名前だけは覚え、小中学生時代にも父のパソコンや図書館で魚の飼い方を調べたり世界の生きものの図鑑を眺めたりしていました。
中でも面白かったのは、恐竜時代の生きもののことが書かれていた図鑑でした。恐竜時代の風景にカメが描かれているのを見て、「カメって恐竜時代から生きている凄い生きものなんだなぁ」と自分のことのように嬉しくなりました。「クラゲは恐竜時代よりさらに昔の約6億年前から生きていたんだ」と知って水族館にクラゲを見に行き、「もっと昔の生きものは目に見えない微生物だったんだ」と知った後は沼で採ってきた水を顕微鏡で眺めて微生物を観察しました。近所の科学館で行われた「地球最初の生きものを作ろう」という企画に応募し、細胞のアクセサリーを作り、「ついに一番昔の生きものを手にいれた!」と喜びました(その細胞には核があったので地球最初の生きものではなかったですが)。
生きものへの疑問
一方で、いくら調べても答えの分からない疑問もありました。ぼくには「友達のように接しているぬいぐるみたちは実は命のない“物”なんだ」ということが、どうしても理解できませんでした。命のある魚と命のない“物”であるぬいぐるみは何が違うのか。また、泳ぎ回っている魚がやがては寿命を終え、命のない“物”になってしまうことを考えれば、魚は何のために生きているのか。それらの問いについて考えるうちに、「生き物を研究する科学者になってその答えを見つけよう!」と思うようになりました。
大学時代
水族館企画
ぼくにとって“第二の原体験”となったのが、千葉大学の2021年度の文化祭で行った学内水族館の企画です。千葉大学では、毎年大学祭で生物学科を挙げて水族館を開催するのが恒例となっています!当時水族館の代表を務めていた奥山(現NESO代表)からこの企画に誘われ、ぼくは展示する魚の管理を担当しました。水族館企画は生物学科によって毎年行われていましたが、2021年度はコロナ禍によりオンライン開催となり、魚の様子をホームページで発信するために例年にない魚の長期飼育に挑戦しました。その中でぼくと同じように“魚が好き”な友達と出会いました。彼は魚についてぼくよりも詳しく、魚への情熱、没頭力、探求心にあふれていました。ぼくたちは倉庫いっぱいにあった水槽の備品が足りなくなるほどの魚を集め、どうしたら魚たちが水槽の中で長く生きていけるか、夜遅くまで意見を出し合いました。特に飼っていた魚が死んでしまった日には魚の腹を割いて餌を食べていたのか確認したり、体表についていた寄生虫を取り出して観察したり、その原因をとにかくたくさん考えました。家に帰ってからも一日中魚のことで連絡を取り合っていたので、アカササノハベラ、イモリ、ウツボ…と、スマートフォンに50音の何を入力しても水族館の生きものが予測変換に上がったのをよく覚えています。最終的に80種以上の魚を集め、はじめての試みとなったオンラインでの水族館企画は大成功を収めました!
当時、魚と向き合いながらぼくたちが話たこと、考えたことのどこまでが正しかったのか、今となっては分かりません。恐らくはほとんどが間違っていたのではないかな、と思います。しかし、そのような間違い、失敗を許容し、屈託なく意見を言い合えるようなコミュニティ、社会こそが、新たな挑戦を生み出し未知の課題を解決する原動力となると信じています。
千葉大NESOスタッフとして
ぼくは千葉大NESOでは会計担当として、予算の管理や千葉大NESOの紹介動画の作製に携わっています。代表の奥山とは「千葉大NESOの活動を他の大学・地域まで広げてたくさんの子供たちに自由研究プログラムを提供したいね」とよく話しています。そのためには、千葉大NESOをかつての水族館企画のように、スタッフも子供たちも間違いや失敗を恐れずに意見を言えるようなコミュニティにしていくことが大切だと考えています。自由研究プログラムでは、生きものへの情熱、没頭力、探求心にあふれた子供たちと出会い、一緒に試行錯誤しながら、生きものの魅力を伝えていきたいです。
どうぞよろしくお願いします!
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